こんにちは、ぐぅです。
皆さんは「理学療法士」・「作業療法士」という職業を聞いたことがありますか?
あるいは、「理学療法士」や「作業療法士」に、実際に関わったことがありますか?
どちらも「病院とかでリハビリをしてる人たちだよね」というイメージがあるかもしれません。
名前も似ていて、何が違うのかよくわからない方も多いのではないでしょうか。
今回は、この「理学療法士」と「作業療法士」を色々な角度から比較してみました。
比較することで“違い”や“共通点”を知り、
「理学療法士」「作業療法士」のことをより理解してもらえたら嬉しいです。
名前で比べる!
※以下、理学療法士は PT、作業療法士はOTと表記します。
合格率で比べる!
PT | OT | |
---|---|---|
直近5年間の合格率平均値 | 82.4% | 79.3% |
ここ5年間の国家試験合格率を見てみると、
平均値ではOTが79.3%,PTが82.4%とOTの方が3%ほど合格率が低いという結果になっています。
しかし、年ごとに見ると 5年間のうち3年はPTの方が合格率が低く、
一概にどちらの合格率が高いか低いかを判断するのは難しそうです。
合格率の振り幅としては、 PTが79.0~86.4%、OTが71.3~87.3%となっています。
OTの合格率平均値は、2019年度の71.3%という数字が影響を及ぼしているようです。
人数で比べる!
人数 | |
---|---|
日本理学療法士協会 会員数 | 133,133人 |
日本作業療法士協会 会員数 | 62,294人 |
両協会の会員数は、 PTがOTに比べ約2.1倍となっています。
※日本理学療法士協会:2022年3月末 現在、日本作業療法士協会:2019年度統計のデータです。
男女の割合と年代で比べる!
両協会の会員の男女比を見てみます。
男性 | 女性 | 男性の割合 | 女性の割合 | |
---|---|---|---|---|
PT会員 | 80,938人 | 52,195人 | 60.8% | 39.2% |
OT会員 | 23,919人 | 38,375人 | 38.4% | 61.6% |
PT会員は男性が60.8%、女性が39.2%と男性の数が女性の約1.5倍です。
一方、OT会員は男性が38.4%、女性が61.6%と女性が男性の約1.5倍です。
PT・OTで、男女の割合がちょうど逆転するような結果となっています。
年代 (歳) | PT-男性 (人) | OT-男性 (人) | PT-女性 (人) | OT-女性 (人) |
---|---|---|---|---|
21-25 | 11,637 | 3,106 | 8,788 | 6,189 |
26-30 | 18,991 | 4,474 | 13,121 | 8,279 |
31-35 | 17,440 | 6,019 | 10,135 | 7,851 |
36-40 | 12,005 | 3,903 | 7,738 | 6,559 |
41-45 | 8,820 | 3,263 | 5,941 | 4,591 |
46-50 | 5,937 | 1,601 | 3,537 | 2,487 |
51-55 | 3,085 | 823 | 1,762 | 1,414 |
56-60 | 1,818 | 462 | 929 | 689 |
61-65 | 729 | 152 | 177 | 160 |
66-70 | 282 | 68 | 42 | 74 |
71-75 | 134 | 16 | 16 | 35 |
76以上 | 60 | 9 | 9 | 21 |
年代ごとの会員数の分布を見ると、 PT・OTの男女ともに、
最も人数が集中している年代は26歳〜35歳であることがわかりました。
仕事内容で比べる!
理学療法士及び作業療法士法では、理学療法・作業療法を以下のように定義しています。
「理学療法」とは身体に障害のある者に対し、主としてその基本的動作能力の回復を図るため、
治療体操その他の運動を行なわせ、及び電気刺激、マツサージ、温熱その他の物理的手段を加えることをいう。
「作業療法」とは身体又は精神に障害のある者に対し、主としてその応用的動作能力又は
社会的適応能力の回復を図るため、手芸、工作その他の作業を行なわせることをいう。
理学療法士及び作業療法士法
PT | OT | |
---|---|---|
誰に? | 身体に障害のある人 | 身体や精神に障害のある人 |
なんの目的で? | 基本動作能力の回復 | 応用動作能力や社会適応能力の回復 |
何をする? | 理学療法(運動や物理療法など)を行う | 作業療法(手芸、工作など)を行う |
勤務先で比べる!
順位 | PT | OT |
---|---|---|
1位 | 医療施設 | 病院 |
2位 | 医療福祉中間施設 | 介護老人保健施設 |
3位 | 教育・研究施設 | 老人福祉施設 |
4位 | 老人福祉施設 | 診療所 |
5位 | 児童福祉施設 | 養成校 |
PT・OTそれぞれで、割合の大きい勤務先TOP5をまとめました。
どちらも1位は病院という結果でした。PTは3位に教育・研究機関が、OTは5位に養成校があり
どちらの有資格者も、臨床現場だけでなく教育機関でも活躍していることがわかります。
まとめ
- PT(理学療法士)とOT(作業療法士)は、どちらもリハビリテーションを行う専門職種だが、
仕事の主目的・対象者・手段が異なる。 - 協会の会員数は PTの方がOTの約2.1倍多い。
- PTは男性の割合が、OTは女性の割合が高い。
- PT・OT国家資格合格率は、どちらも80%前後である。
- PT・OTに最も多い年代は26歳〜35歳である。
- PT・OTの最も多い勤務先は医療機関である。
おわりに
いかがでしたでしょうか。
PTとOTの同じところ・違うところが見えましたか?
混同されることの多い2つの職種ですが
仕事内容は異なり、それぞれの専門知識や技術を持って活躍しています。
今後、 PTやOTと関わることがあれば、ぜひ参考にしてみてくださいね!