こんにちは、ぐぅです。
今回は私が6年間、理学療法士として病院に勤めてみて
よかったこと・大変だったことをまとめてみました。
別の職場の理学療法士がどんな経験をしているのか
知る機会はなかなかないと思いますので、
・現在病院で働いている理学療法士の方や
・今後、病院での勤務を検討されている方、
・理学療法士を目指している勉強している方に
一個人としての感想・考えとして参考にして頂けたら嬉しいです。
私が理学療法士を目指した理由
まず初めに、私が理学療法士を目指したきっかけや理由についてご紹介します。
1.人の役に立つ仕事がしたいと思ったから
小さい頃から、ボランティア活動など人の役に立つことが好きでした。
「人の役に立つ仕事」というとすごく献身的な感じがしますが、
「何かをして、褒められる・喜ばれる」ということが単純に嬉しかったのだと思います。
褒めてもらえたり「ありがとう」と言われると嬉しいから、人の役に立てる仕事がしたいと。
きっかけはその程度だったと思います。
理学療法士を目指し始めた頃は
どんな仕事をする職種なのか、ちゃんと理解できていませんでした。
ただ、「困っている人の役に立てる、やりがいが持てる仕事」というイメージがあって
そういう仕事に就きたいと思っていました。
2.部活を通して興味を持ったから
私自身は、これまでリハビリを受けたことがありません。
特別大きな怪我をしたこともないし、長く入院したこともない。
ですが、高校で野球部のマネージャーになってから
選手が怪我や病気で苦しむ姿を近くで見てきました。
特に多かったのは、怪我です。
3年間という限られた期間で、
チームとして、個人として、強くなることを目指し
日々、精一杯練習をしている選手たちだからこそ
身体へのダメージも大きかったのです。
今でこそフィジカルケアも広がり、正しいトレーニング方法や
選手への指導方法が浸透してきていますが
当時はそこまで専門的な知識が広がっていなかったので、
怪我に苦しむ選手もいました。
そんな選手を、自分は見ているだけでなにもしてあげられなかった。
虚しさというか、悔しさというか、無力さを感じて
「怪我や病気で悔しい思いをしている人の力になりたい」という気持ちが芽生えました。
3.親のすすめがあったから
私の母親は看護師でした。
看護師である母は、職場で理学療法士や作業療法士と実際に関わり、
リハビリの様子も目にしていました。
そんな母がある日、高校生の私に
「理学療法士さんって、いい仕事だよ」と言ってきました。
患者さんに優しく接している姿、患者さんを治療している姿を見て
理学療法士という仕事を勧めてきたようです。
その時は「理学療法士ってなに??」って感じだったのですが
母が仕事のことや将来のことで、何かを勧めてくること自体が珍しかったので
「理学療法士」というものがすごく頭に残ったというか、インパクトがありました。
そこから少しずつ「理学療法士」という仕事に興味を持ち始めました。
なぜ病院で働くことにしたのか
・教育体制がしっかりしていた
・先輩の理学療法士が多く在籍していた
・急性期〜生活期まで幅広く関わることができる環境だった
私が就職したのは、専門学校の学生時代に実習でお世話になった病院でした。
実習中に関わった方々の人柄がとてもよく、
職場の雰囲気もわかっていたので馴染みやすかった、というのも就職先を選んだ理由です。
ただ、それだけでなく
職場が新人教育に力を入れていたのと、
研修会などへの参加に協力的だったというのも魅力でした。
教育体制や研修会への参加の可否などは、その病院ごとで全く異なると思いますが
介護分野に比べると、病院では一施設当たりに在籍する理学療法士の数が多くなる分、
制度がきちんとしているところが多いのではないでしょうか。
また、病院では患者さんのリハビリ期間も限られているため
短い期間で質の高い治療を提供できるように、
セラピストのスキルアップに協力的な病院が多いと思います。
職場に多くの理学療法士がいるということは、
教育体制を整えることと通じているように思います。
もし、職場に理学療法士が10人いれば10通りの多様な考えや経験があると言うことです。
仕事をしていたら、色々な悩みや問題も出てきますが
そんなときに周囲の意見を聞いたり、アドバイスを受けられることはすごくメリットだと思います。
理学療法士それぞれが得意な分野を持っていると思うので、
周囲と協力することで、自分一人の何倍もの知識や技術を患者さんに提供できます。
また、病院では急性期〜回復期の患者さんに関われるという点もポイントです。
ICUから退院まで、一人の患者さんに寄り添っていけるというのは、病院ならではだと思います。
私は急性期〜生活期まで、長く患者さんに関われることに魅力を感じましたが
中には「急性期病院」「回復期病院」というように
そのステージに特化した病院もあります。
自分の関わりたいステージ、自分のなりたい理学療法士像に合わせて
就職先を検討するのがいいでしょう。
病院で働いてよかったこと
・他職種と関わることができた
・自己研鑽のモチベーションが維持できた
・自分の好きな分野を見つけることができた
病院では、さまざまな専門分野の知識を持った他職種が働いています。
医師・看護師・薬剤師・栄養士・介護福祉士・医療ソーシャルワーカーなど
病院で働くからこそ関われる、その道のプロがたくさんいます。
患者さんを担当する中で、他職種との連携は必要不可欠ですが
その連携を通して学べることもたくさんあるのが魅力だと思います。
また、私が勤務していた頃は
病院全体がリハビリテーション部門の拡大に力を入れていた時期で、
個人個人のスキルアップも求められていました。
求められているものに応えようと、みんなが勉強していましたし、
わかることが増えて患者さんに還元できるのは、とても嬉しかったです。
その環境のおかげもあって学習意欲をキープでき、
自分の好きな分野(呼吸器リハビリ)を見つけて深めることが出来たと思います。
病院で働いて大変だったこと
・常に時間に追われる
・変化について行かなければならない
・体力と集中力が必要
時間管理は、理学療法士に必要なスキルの1つかもしれません。
1人の患者さんにかけられる時間は決まっています。
介入する患者さんの数も決まっています。
時間をうまく管理できないと、自分のリハビリを待っている患者さんに迷惑がかかります。
でも、予想外のことも度々起こります。予定通りにいかないことも多いです。
なので、時間を見ながら、優先順位を考えながら介入をするのが難しかったです。
また、急性期〜回復期の病院では患者さんの変化も大きいです。
患者さんの変化に置いて行かれないように、自分の知識や技術もアップデートしていかなければなりません。
患者さんだけでなく、病院自体が変化していくこともあります。
医療報酬の改定があったり、病院の体制や方針が変わったり。
そういった変化も含めて対応するのが大変でした。
働き始めた頃は体力や筋力がついていかず、毎日ヘトヘトになっていました。
体力と集中力が続かなければ、いいリハビリも出来ません。
かといって、目の前のことや自分のことだけに集中すると視野が狭くなり
同じリハビリ室で起きているアクシデントに気付くのが遅れたり、
点滴やバルーンなどの管理が疎かになったりします。
「一点に集中する・集中を分散させる」という切り替えに苦労しました。
病院に就職した感想
私は、初めての就職先が病院でよかったと思っています。
病院というある意味、非日常的な環境で出会いも別れも、たくさん経験しました。
求められることに応えきれず、心が折れたり、悔しい思いもたくさんしましたが
患者さんと必死に過ごした日々は、素晴らしい財産です。
理学療法士として、だけでなく人間的にも成長できたと思います。
「病院」と言っても、その病院ごとに扱う疾患も、患者さんも、環境も
全く違うと思いますが
その後、デイサービスでの勤務も経験してみて、
医療現場でしか経験できない厳しさや喜びがあると思います。
私の経験が、少しでも皆さんの参考になれば嬉しいです。
ここまで読んでいただき、ありがとうございます。